深刻!災害時のトイレ事情と緊急時に役立つ三つの知識
大地震や台風など、大規模の災害に見舞われた時、われわれ人間は普段当たり前のように生活の中で利用しているものをことごとく奪われてしまいます。その中でも「水」はもっとも大切なものです。飲み水はもちろんのこと、あらゆる場面で必要になります。いかに今まで恵まれていたのかをあらためて知らされることになるでしょう。
今回取り上げるトイレ事情も大きな水問題の一つです。万が一災害に遭ってしまったら、トイレはどのように使用していけばいいのでしょうか。
1日に必要なお水の量は3L!
まず飲み水について少し触れておきましょう。成人は1日に1.5L~2.0Lほどの飲み水が必要であると言われています。ただしこれは純粋な飲み水としての目安なので、食事の時にスープなどから摂取する水分も合わせると、計3Lもの飲み水が必要となります。これを普段の生活で、家族分確保するというのは意外と大変なもの。災害時となればなおさら困難です。
そのため買いだめしていたペットボトル飲料や、災害時用のお水、ウォーターサーバーのボトルなどは優先的に飲料水として使われてしまい、その他の生活水は他で補うしかありません。
トイレでは膨大な水量が使われている!
生活水のなかで飲み水の次に重要になってくるのがトイレです。成人の場合は1回あたりの尿量がおよそ200ml、1日の平均排尿回数が7~8回なので、約1.5Lの尿を排出していることになります。また尿だけでなく便(成人は1回に100~200g)も含めて考えると、合わせて2kgほどの排せつ物をトイレで流していることになりますね。
またトイレで1回に使用する水量にも注目してみましょう。便器のレバーには、「大」と「小」ふたつのレバーが付いています。大を使用した場合は約6L、小を使用した場合は約5Lの水が流れるようなので、これを元に計算すると1日7回の小便で35L、1日1回の大便で6L、計41Lもの水量が必要になります。
飲むことのできるお水は率先して飲み水に使われてしまうとして、飲めない水にしても、これだけ膨大な水量を確保するというのは、災害時には非常に大変なこと。しかも災害時はトイレが使えなくなる可能性も十分に考えられます。
災害時にトイレが使えなくなる原因は?
災害が発生すると、停電、水道管の異常による断水、下水道の損壊などにより大概の水洗トイレは使用不可となります。最初は気付かずにそのまま使用してしまう例などもあるようですが、これが大変。流すことのできない便器は、あっという間に排せつ物で一杯になってしまい、使用できなくなるばかりか衛生環境の悪化により、感染症などの心配もしなくてはなりません。
マンションにお住まいの方はとくに気を付けてください。集合住宅の場合は、基本的に排水管が下の階から最上階まで1本の共用管として設備されており、どこか1カ所で破損が起きると、修理のために全部屋で断水が行われます。お隣さんに助けを求めることなどもできないため、マンション全体が水事情に悩まされることとなります。
災害時にトイレを使うための三つの知識と工夫
お風呂に水を張っておく
万が一断水となってしまった場合でも、お風呂に水を張っておくことでトイレを利用することが可能です。過去の震災でもお風呂に水を張っていたことで、「トイレ事情が楽だった」、「火事になるところだったが助かった」という人が非常に多かったとのこと。毎日お風呂に入るというわけではなくても、水をためておくメリットはありそうです。
できればその他に、ペットボトルに水を入れて冷蔵庫などに日々保存しておくこともオススメします。これには、災害時の飲料水を確保できるというメリットもありますし、もしペットボトルに入れてから数日間が経過してしまったという場合でも、バスタブに入れてトイレの水としてまた使えるからです。
ウェットティッシュを用意する
災害時には、とくに衛生面において多くの注意を払わなくてはなりません。普段何不自由なく水洗トイレが使えている時は心配ないですが、災害時の場合は手動でトイレを流すなど、何かと不衛生な状況が増えるでしょう。
もちろん、シャンプーやシャワーなどは使えない可能性が高いですし、単純に水で手を洗うのももったいない気がします。そんな時は、トイレ後や食事前の手洗いの代わりに、ウェットティッシュを利用しましょう。断水時は普段よりもいろいろな作業をしなくてはならないことが多いです。少しでも手を清潔な状態に保つことで、病気の予防につながります。
断水明けはトイレの水を使わない
断水がようやく解除され、使用できるようになってからも、最初に水を利用するのはトイレ以外の場所にしてください。
というのも断水後は、さまざまな作業によって白濁した水が蛇口から出てくる可能性が高く、トイレ自体が故障してしまう可能性があるからです。最初は洗面所や台所で一定時間水を出しておき、透明度が高くなってきたと判断できたら、やっとトイレで水を流せると思っていてください。
おわりに
いかがでしたか?今回は主に災害時のトイレ事情にスポットをあててお話をしました。飲み水の確保と同じくらい深刻なトイレ問題。万が一の時に困らないためにも、普段から対策をしておくことや知識を付けておくことが大切です。
そこでオススメしたいのがウォーターサーバーです。多くのお水を確保できる点で、ウォーターサーバー1台導入しているだけで飲み水の心配はいりません。
飲み水についての心配がなくなれば、災害時の生活水についての準備において、多くの手間が省け、トイレに使う水にも気を使う余裕が出てくるでしょう。ぜひ今日からできる災害への備えとして参考にしてみてください。